コアコミックス発行の漫画『夜分に吸血失礼します。』。同族争いのクライマックスが描かれる16話を、ネタバレありでご紹介します。
前話では、山寺くんの意外な一面が描かれました。逃避行を経て、さらに関係の深まったふたりは、伊達さんとの争いを収めることができるでしょうか?
「夜分に吸血失礼します。」16話のあらすじと感想、見どころの紹介です!
【夜分に吸血失礼します。】16話あらすじ
吸血鬼の主人公「小夜さん」は、やくざ者の吸血鬼「伊達さん」に追われ、後輩の「山寺くん」と一緒に身を隠している最中です。
ところが、山寺くんは外に出て、伊達さんを探すことにします。というのも、小夜さんを吸血鬼にした「メイ」という強力な吸血鬼を後ろ盾にして、伊達さんを脅そうというのです。
危険を省みない行動に、当然小夜さんは反対です。それに対して山寺くんは、「小夜さんが守ってくれるから大丈夫」と、意外にも小夜さんを頼りにしている様子です。
その瞬間、闇のなかから伊達さんが現れ、山寺くんを連れ去ってしまいます。
はたして小夜さんは、山寺くんを助けることができるのでしょうか?
伊達さんVS山寺くん
山寺くんを拘束した伊達さんは、ビルの屋上で、山寺くんの意思を奪おうとします。肉体的に殺さずとも、下僕のような状態にしようというのです。
どうやら、本当に山寺くんや小夜さんに、手は出せないようです。伊達さんは、それほどまでに「自分の身の周りが安全であること」を重んじています。
そんな平穏に固執する伊達さんを、山寺くんは「臆病者」と罵ります。
以前、伊達さんは平気で人を殺していたのに、山寺くんは殺せないことに違和感があるかもしれません。
作中では明確に表されませんが、どうやら山寺くんの「脅し」が当たっているようです。
つまり、メイは小夜さんと繋がっていて、小夜さんが山寺くんと繋がっている以上、「山寺くんを殺すことは、間接的にメイに関わる」と、伊達さんは考えています。
それほどわずかな可能性でも、メイに関わりたくないのでしょう。そう考えると、伊達さんがどれほど平穏に固執しているか、よく感じられます。
小夜さんはどうする?
一方、途方に暮れた小夜さんは、山寺くんを探すために、空を飛ぼうと四苦八苦しています。
以前、第3話で、ビルの屋上から落ちたとき、吸血鬼の能力によって空を飛ぶことができました。それを再現しようというのです。
先輩の吸血鬼「美礼ちゃん」によれば、「行きたければ行ける」らしく、どうやら小夜さんの意思に左右されるようです。
相手は格上の伊達さんですが、怖がってはいられません。なぜなら、山寺くんは別れ際「小夜さんが守ってくれる」と言っていました。あのサイコな山寺くんが、他人を信じたのです。
小夜さんは山寺くんの信頼に応えるべく、吸血鬼の能力を発動します。
これまで、吸血鬼の能力を積極的に使おうとしたことはありませんでした。それだけに、小夜さんの心境の変化が感じられますね。
そしてさらに、ふたりの関係がさらに進展することも期待できます。
なぜなら、ようやく小夜さん自身が、山寺くんの変化に気がついたのです。
ただの取引関係から、信頼しあう関係に発展して、今後のふたりの仲がどう進展してくか、期待大ですね。
ピンチに現れたのは意外な人物
正反対な山寺くんと伊達さんですから、当然話し合いになりません。山寺くんは伊達さんに一方的に暴力をふるわれ、絶体絶命です。
そのとき、伊達さんを止める人影が現れました。能力をつかった小夜さんかと思えば、意外な人物です。
なんとビルの屋上に現れたのは、最悪の吸血鬼と言われたメイ本人なのです。
メイは、純白のドレスに身を包み、腰まである明るい長髪をリボンでハーフアップにした、深窓の令嬢のような女性です。
彼女は、「山寺くんに用がある」と言い、伊達さんに「そこを譲って」と微笑みかけるのです。
これまで小夜さんと山寺くんが必死で探してきたメイ本人の登場に、物語が大きく動き出すのが感じられますね。
ご令嬢のような雰囲気からして、ほがらかな女性のような印象です。小夜さんの回想の通りで、とても最強最悪とは思えないです。
はたしてメイは何の目的で現れたのか?急速に動き出す物語に、目が離せません!
【夜分に吸血失礼します。】16話の見どころ
16話の見どころは、伊達さんと山寺くんのあべこべな対立関係です。
山寺くんはご存知の通り、「退屈な日常に刺激を求める」サイコパス寄りの性格です。いわば、不穏な日常を好みます。
一方、伊達さんは、平穏に固執しています。自分の身の安全をおびやかす不穏分子は、徹底的に排除したいのです。
さすがに殺そうとするのはやりすぎですが、伊達さんの「平穏でいたい」気持ちは、わかるような気がしませんか?
なぜなら、私たち人間が望むことと同じだからです。危険はない方がいいのは当然です。神社などで、家族の安全を祈ったり、無病息災を願ったりしますよね。
つまり、伊達さんは、山寺くんよりずっと人間らしいことを望んでいます。
山寺くんと伊達さんの対決は、「鬼畜のような人間」と「人間らしい吸血鬼」の対決なのです。あべこべな二人のやりとりは、ドラマに満ちていて必見です。
【夜分に吸血失礼します。】気になる続きは?
次話では、ついにメイと山寺くんが対峙します。
メイは、「山寺くんに用がある」と言っていました。はたして、メイの狙いとは?そして、山寺くんは吸血鬼になってしまうのでしょうか?
このつづきは、発売中の『夜分に吸血失礼します。』第3巻で明らかになります。
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